
Pubcon2019 日本人スピーカー ハント肇子氏に聞く、これからのデジタルマーケティング
Pubcon2019のスピーカーとして登壇された、ハント肇子さんにお話しを伺いました。
ーハント肇子(Motoko Hunt)氏とは…
1998年にAJPRを設立、
日本、アジア、その他の市場を対象としたオンラインマーケティングサービスを世界中の企業に提供しています。
海外の企業の日本進出を、WebのSEOなどを通してサポートする事業をされています。
ハント肇子(Motoko Hunt)氏がスピーカーとして、世界を飛びまわることになったきっかけは、そもそも、日本の市場をターゲットとしていたことや、日本の文化を理解できたことが大きな要因と言えます。
2000年~2010年まで、日本の市場は当時中国よりも、インターネットの人口も多くお金を落としているとかなり注目されていました。
アメリカは市場規模が大きいので、国内の市場で満足している所が当時は多く、日本に支社を持つ大きな企業でも、「日本は日本のオフィスでやっているのでは?」とあまり関心がなかったそうです。
「大きな市場を見逃していないか?」とWEBマーケティングの観点からハント肇子(Motoko Hunt)氏が問いかけていったということで注目を集めていきました。
アジアと日本市場に関する幅広い知識を持つ彼女の検索マーケティングコンサルティングサービスは高く評価されていて、世界的に人気のある多国籍ブランドの検索マーケティングキャンペーンに大きな影響を与えています。
スピーカーとしての経歴
スピーカー(登壇者)としての経歴もかなり長いです。
2000年前後から各地のインターネット系イベントで登壇するようになり、2006年からは当時検索マーケティング系で最大級だったSES(Search Engine Strategies)やSMXの他、世界各地で開催されたSEO関係のカンファレンスイベントに参加して、スピーカーとしてお話されていたそうです。当時は隔週で飛び回っていたのだとか…。
最近では、US/UK/EUでのSearch Awardsの審査員をしたり、業界のウエブサイトに定期寄稿するほか、別の事業に力を注いでいくためにスピーカーとしての仕事を少し控えていこうと思っているが、Pubconだけは絶対に外したくなかったとハント肇子(Motoko Hunt)氏は言います。
「Pubconは、スピーカーの知り合いと会えたり、ネットワーキングの場なので、ここだけは削れないなと思ってました。スピーカー同士は、実はカンファレンスやSEOイベントの行った先々で登壇していたりして会う事が多いので、遠い親戚より顔を見ている…なんて事もあります(笑)」ハント肇子(Motoko Hunt)氏
つまり、Pubconに来ればハント肇子(Motoko Hunt)氏のセッションを聞けるということですね!!!!!
Pubcon 2019 Las Vegasで語られたセッションの内容は、株式会社クリエイターズネクスト の窪田望さんのnoteをご参照ください。
ー今後のSEO業界はどうなるのか?
「国によって差というかバラツキが増えてくると思います。
20年前~15年前くらいはやはりアメリカが進んでいて、検索エンジンもアメリカの検索エンジンが殆どでしたし…。
最近になって、ヨーロッパの展開や成長が著しいです。
どこに住んでいてもSEOはSEOだったのですが、レギュレーションが変わり、EUであればGDPRというプライバシーに関係していてバナーを見せてクッキーを受諾するか?しないか?のボタンを出さないといけないとか、アメリカでも州によってアクセシビリティの決まりが違ってきたり、考慮する点に地域差が出てきています。
コンテンツ面でも、ユーザーのペルソナや行動パターンを考えると、同じコンテンツを翻訳したものを各国のサイトで使っているだけでは、その国の顧客やユーザーに適したものとは言えなくなります。
アメリカの企業は、大きさは違えどSEOに対しての知識やどう考えているかの差は殆どありません。もちろん予算やリソースには差が出てきますが、根本的にSEOをどう捉えているかの部分で言えばそれほど大きな差はないと感じています。
但し、日本の企業は例えば東京の大手企業であればSEOと伝えたら分かりますが、地方の中小企業になってくるとSEO対策をしなくていはいけない事を知らなかったり、全てお任せしてしまっていたりと、知識やSEOに対する考え方の差が大きくあるように感じます。
ツールの会社では、アメリカ以外にもフランスやドイツなどから世界に向けて出てきていますが、日本のツールの会社は日本のサイトを対象に終わっていて、世界展開を狙っているツールがまだ出てきていないと思います。
…もしかしたら、あるのかもしれませんが、届いていないという印象です。
ツールの面では、海外を見据えて展開するには多言語化や、Google以外の検索エンジンのデータが扱えるものが必要になります。
アメリカの検索マーケティング系イベントではPubconが大きいので、例えば日本の企業がブースを持ってパートナーを見つけてという方たちが増えてくるといいですね。日本からのスピーカーも、もっと増えるといいと思います。」ハント肇子(Motoko Hunt)氏
ーPubconの来場者はどう変わった?
「Pubconの来場者は、以前は代理店が殆どだったのですが、最近はインハウスの方も増えてきてますね。
セッションの最初に『代理店の方どれくらい来てますか?インハウスの方どれくらい来ていますか?』と聞いているんですが、
来場者は今、インハウスの方が多くなってきました。
スライドの中身までは変えれませんがインハウスの方と代理店の方とはアプローチや着地が違うのでメッセージの内容を変えたりしています。
SEOの対策の仕方はどちらも同じですが、
例えばインハウスの場合であればどうやって上司に通す為の資料の作り方とか、
代理店の方だったらクライアントのサービスの説明するのにどういう風に説明すれば納得してもらいやすいかなど
とにかく会場にいる方の役に立たないと意味がないので、説明や補足の部分はそのセッションによって変えています。
同じ話の繰り返しになりますが、このインハウスっていう意味でも、日本はまだ少ないし、対応していくのが難しいのかなと思っています。」ハント肇子(Motoko Hunt)氏
※インハウス=自社内、組織内という意味。企業が専門業者やコンサルティングなどに外注することなく、自社内でWEBサイトのSEOを行う事をここでは指しています。
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https://webtan.impress.co.jp/e/2015/07/24/20478/page/1
ー今後のデジタルマーケティングに必要だと思う事
「デジタルマーケティングにおいて
SEOだけじゃなく、SEOをデジタルマーケティングの一部としてどう考えているか?が大事になってくると思います。
現状は、SEOはこの人が担当 SEMはこの部署で担当 ITは別の担当者等と分離してしまう傾向が強く、インハウスであってもコミュニケーションが少ない。外注であれば尚更コミュニケーションが必要です。
データのシェアなどのコミュニケーションが生まれると、時間的にもリソース的にもコスト的にもかなり効率が良くなると思っています。社内で自分の仕事がSEOにどう関わっているのかを理解する事もとても重要です。」ハント肇子(Motoko Hunt)氏
ハント肇子氏 Twitter
ハント肇子氏の記事はこちら

ども~カンサイです。
京都から東京へやってまいりました。
WEB業界の横文字とても苦手です。
boostでは、広報や営業関係のお仕事をしています。
大体社長からツッコまれています。
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