
石川俊祐さんの「HELLO,DESIGN 日本人とデザイン」を読んだ感想
「HELLO,DESIGN 日本人とデザイン」という本を読んでみました。
boost天才社長からの課題図書です。

デザインと聞くとセンスが必要で難しいイメージがします。
ただ、読んでみて自分の中に刺さったのが、タイトルの「日本人とデザイン」という言葉でした。
デザインするということはどういうことなのか?
日本人だから出来るデザインとは?
「デザイン」という言葉の捉え方がすごく変わって、とても面白い本でした。
どうやって価値を提供する?
「価値を提供する仕事をする」
僕が仕事をする際に大事にしていることなのですが、その時に常に付きまとうのが、「どうやって?」という部分です。
本の中には自動車保険の話が出てきて、すごく分かりやすかったです。
どうすれば、自動車保険が価値を提供できるのか?という話でした。
自動車保険を使う場面って、事故を起こした時ですが、その時に誰もが思うのが
1秒でも早くスーパーマンに駆けつけてほしい
ってことですよね。
僕自身も、車を運転していて自転車とぶつかった経験があるので、この気持ちが痛いほど分かります。
正にその時が、落ち着こうと思っても落ち着けない。
月々の掛け金も重要かもしれない。
事故を起こした時、どのくらい負担してもらえるのかも重要かもしれない。
ただ、人の気持ちに寄り添うというのが、正にこういうことかなと感じる一節でした。
自分の主観に自信を持つ
- おもしろい
- つまらない
- 素敵だな
- なんでだろう?
- おかしくない?
- 引っかかる
- 気になる
主観ってのは、些細な感情なのかもしれませんが、自分の主観に蓋をせず、それをもとにしたアイデアを相手に伝えること。
そして、そこで大事なのが観察すること。
本にも書いてありますが、自分の主観に自信を持っている人といえば、起業家やインフルエンサーがその例で、特に最近は、インフルエンサーの露出が多いですが、「よくここまで自信を持っているように振る舞えるな」と思います。
自信が行動に繋がり、次のクリエイティブを生み出す。
こういうところを見習っていきたいです。
はじめのアクションは話づくり
自分が思いついたアイデアを客観的に選別せずに発することができる場を作ることが大事だと書かれています。
- アイデアを出し合う時間を作る
- SNSグループを作る
- 水曜日のランチタイムはアイデアを出し合う会などルール化する
雑談ベースでも、環境や状況などに縛られず、意見を出し合う場をつくっていきたいです。
観察する
観察することに関しては、本に書かれていた内容がすごく分かりやすかった。
混み合った電車の中で、おじさんが新聞をたたんで読んでいる。本当はもっと小さいサイズがほしいんじゃないのか。
バス停に日傘をさした女性が立っている。ここには屋根が必要なんじゃないか。たとえば路上駐車をするとき、ドライバーは通行するほかの車の邪魔にならないよう縁石ギリギリに駐めるでしょう。
これ、すごく「ふつう」の光景です。
でも、立ち止まってよく「観て」みると、「助手席の人が降りにくい」という「不便」が見つかる。
そこで、「スライドドアにしたらどうだろう」「助手席の人が乗り降りできる幅を残した自動駐車システムをつくれないか」といったアイデアを考えることができる。
観察する際は、自分の快・不快に注目する。
無意識の心の動きに気付き、言語化することが大事。
今までも周りの人の動きなどを気にしてきた場面もあるが、ここまでは考えてこなかった。
こういう例を読むと、観察することが非常に大事なんだと思いますね。
リサーチは極端なユーザーに対して行う
これも例として書かれていて非常に分かりやすかったです。
たとえばスマホに関するリサーチだったら、3台持ちで使いこなしているユーザーと、人生で一度もスマホを所有したことがない人をターゲットにする。
3台持ちしている人は開発者が想像もしていなかった、特殊な使い方をしていることがある。
一度も所有したことがない人は、これほどスマホが普及しているにもかかわらず、あえて使わないのには「使わない」明確な理由が存在する。
正におっしゃる通りだと思った。
そこには、想像もしない状況や理由があるのだと思います。
そして、それこそ隠されたニーズであり、それを深掘りしていくと、課題や課題を乗り越えるための手段が見つかっていくのかもしれません。
ブレストのやり方
上でアイデアを出す場が大事というのを書いたが、アイデアを出す時のブレストについて書かれています。
ブレストの時は、「どうすればできそうか?」と考えること。
そして、相手のアイデアを一回しっかり「いいね!」と肯定した上で「加えて」「次に」と発言することが大事とのこと。
ブレストといえばポストイットですが、見える化の重要性も書かれていました。
僕はポストイットのブレストといえば、以前KPTで振り返りを行ったことがあって、アイデアの見える化は非常に有効だと体験してきました。
また、ポストイットに関しては、ポストイットの部屋を作ると良いそう。
そこにいけば、アイデアをまとめて見ることが出来る場所。
これは余談ですが、以前あるプロジェクトにおいて、テスト工程で検出した不具合をポストイットに書いて、それをホワイトボードに張って管理しているプロジェクトがありました。
今思うと恐ろしいです。笑
プロトタイプを作る
この本を読んで、プロトタイプの考え方も変わりました。
プロトタイプというと完成具合を見られるという印象が強かったのですが、石川さんはプロトタイプは「完成品の見本」ではないと言っています。
プロトタイプとは、メンバーのイメージをすり合わせたり、アイデアを推し進めたりするためのもの。
そして実際にユーザーに試してもらうことで、ユーザーの考えをすり合わせることができる。
プロトタイプは1分でできると書かれていたので、それが一番の驚きでした。
分業はしない
もう1つなるほど、と思ったのが、専門が違う人と組んでも「分業はしない」ということです。
専門の人がいると任せてしまいがちだが、そうではないんですね。
全員でリサーチする。全員で「問い」を決める。全員でアイデアを出し合う。
プロトタイプをつくるときも、「プロダクトデザイナーだからあなたが絵を描く担当ね」なんて限定しないそう。
最後の最後、部分的に分業することはあっても、それはあくまで「上手にできるから」くらいの意味合いだ、と書かれていたので、非常になるほどと思いました。
それは、物事を様々な視点で見ることが重要であるから。
みんなが得意なことを持ち寄って、1つのものを作り上げる。
チーム力ってやつですね。
やっぱりチームでやることが、パフォーマンスを上げることに繋がるのだと感じました。
自分が人並みにできることをむりに伸ばそうとするのではなく、まずは自分が圧倒的に得意とする分野─「コアとなるスキル」をひとつつくる。その上で、ほかの人とつながる。
この一節に非常に共感できました。
デザインするということ
豊臣秀吉は鷹狩の帰り、喉の渇きを覚え、近くの寺に立ち寄った。
寺の小姓は、まず大きな茶碗にぬるめのお茶を一杯淹れて差し出した。
秀吉はそれを一気に飲み干し、もう一杯所望した。
小姓ははじめより小さな椀に、やや熱めにした茶を出した。
秀吉がもう一杯求めると、熱く淹れた茶を出した。
この話は以前にも聞いたことがあったのですが、これが正にデザインするということですね。
日本人は昔から、こういった心遣いを持っている。
これは知らなかったのですが、このサービスをデザインした小姓は、後の石田三成だそうです。
日本は2020年に東京オリンピックを控えています。
オリンピックの成功や、その後の日本社会に、このデザイン力が必要なのかなと思います。
「お・も・て・な・し」の心ですね。
こうした心遣いも、すべては「人間中心」のユーザーエクスペリエンスデザイン(UX)と言えると書かれていました。
UXってそう考えると、すごく分かりやすいですね。
サービス精神と、現代のテクノロジーを掛け合わせてデザインする。
僕自身も、デザインするということを、もっと磨いていきたいと思います。
みなさんもぜひ読んでみてください。

↓boostメンバーがこの本を読んだ記事はこちら

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